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江戸木目込人形は、衣裳の部分に刻まれた溝から見えてくる。墨田区向島の塚田工房では、桐の粉に糊を混ぜて作った型に筋彫りを入れ、布をはめ込む人形を原型から一点ずつ作る。向島二丁目十一番七号の江戸木目込人形博物館には、明治時代から現在までの雛人形、人形の原型、製作道具、材料、工程パネルなど約五十点が並び、完成した人形の背後にある手の順序を伝えている。
木目込とは、衣裳の部分に溝を彫り、布を糊で埋め込んでいく技法である。塚田工房では、桐の粉と糊で作った型に筋彫りを入れ、布をはめ込む江戸木目込人形を原型から製作している。
頭には桐塑または素焼き、胴体や手足の一部には桐塑が使われる。溝、糊、布、桐塑の小さな胴体が重なることで、衣裳が人形の表面に収まったように見える。
京都で始まった木目込み人形は江戸に伝わり、正徳年間には京都の人形師が多く江戸へ下っていた。江戸が文化の中心地として発展するにつれて木目込み人形も江戸風に変化し、岡本玉水人形系統と名川春山人形系統が生まれた。
名川系では、初代名川岩次郎が天保三年、一八四一年、二十八歳で浅草須賀町の人形師瀬山金蔵から独立し、本所両国に創業した。現在の向島の作業台にある筋彫りや布の仕事は、江戸東部の人形づくりの場所とつながっている。
江戸木目込人形博物館と塚田工房は、墨田区向島二丁目十一番七号にある。展示には四代目名川春山の作品、明治時代から現在までの雛人形、人形の原型、製作道具、材料、英訳付きの工程解説パネルなど約五十点が含まれる。
雛人形のそばには、原型、道具、材料、工程パネルが並ぶ。桐の型、衣裳の溝、布の表面が一連の仕事としてつながり、完成した人形を支える作業の順序が見えてくる。
材料は作業の順に現れる。桐の粉に糊を混ぜた型を作り、衣裳の場所に筋を彫り、布をはめ込む。江戸から明治期の着物など希少な古代布を使った雛人形では、布の文様が新しい人形の表面に生きる。
顔立ちにも江戸らしさがある。京都製のふくよかな顔立ちに対し、江戸木目込人形の顔はやや痩せ形で小味の利いた細かい目鼻立ちとされる。ここでいう伝統は、頭の形、目鼻の細部、胴体との釣り合い、溝に収まる布の処理として目に見える。
江戸木目込人形では雛人形が大きな位置を占め、向島の工房と展示は干支、能、歌舞伎の題材にも広がる。塚田詠春は現在、主に雛人形、高砂、連獅子、干支を作っている。
同じ筋彫りと布の技法が、異なる姿や場面を受け止める。高砂や連獅子は能と歌舞伎の身ぶりを人形に移し、干支は年ごとの題材になり、雛人形は節句の飾りとして置かれる。形、布の柄、顔立ちの釣り合いが、それぞれの題材を支えている。
塚田真弘は、江戸木目込人形の技法を触って使えるものへ広げている。力士ペーパーウェイト、磁石、スマートフォンスタンドのような小物にも、形を作り、溝を彫り、布を入れる技法が見える。
使い方が変わっても、形、溝、布、糊という要は残る。力士ペーパーウェイトのような小物では、重さを手で感じ、机の上で使いながら、木目込の布の表面を見ることができる。
塚田詠春の歩みは、年月と場所でたどることができる。一九四九年に東京墨田区向島で生まれ、一九六八年に高校卒業と同時に叔父の五代目名川春山の内弟子として入門し、一九七三年に現在地の向島で独立した。
東京都雛人形工業協同組合の職人脈絡には、江戸木目込人形に関わる金林健史、木村綾、高野裕、櫻井光弘、角沼朋典、木村浩平、塚田進、角沼正志などの名が見える。塚田工房での実演や製作体験と合わせると、江戸木目込人形は東京の人形づくりの中で学ばれ続ける仕事として見えてくる。
江戸木目込人形を最もよく伝えるのは、向島の工房にある作業の順序である。桐の粉と糊で型を作り、衣裳の溝を彫り、布を入れ、顔と胴体の釣り合いを整える。京都から江戸へ渡った技法は、名川春山系の展示、明治以降の雛人形、干支や舞台芸能の題材、手に取るペーパーウェイトの表面に、今も溝と布として残っている。
公開資料・公式情報をもとに構成しています。出典は下記の認定リンクをご覧ください(内容は変わる場合があります)。
この一品が、日本のどの制度・機関に登録・指定・認定されているかを示します。
英語では Edo kimekomi dolls と表記されます。
工芸品は直射日光・湿気・急な温度変化を避け、ぶつからないように保管してください。木・竹・漆・紙は水に弱いため、濡れたらすぐに拭き取ります。個別のお手入れは商品ページの表示をご確認ください。
江戸木目込人形は東京都の工芸品です。公的な登録、地域の資料、楽天の販売中商品と照合し、産地との関わりや特徴を整理しています。
多くは常温で日もちし、箱入りで持ち運びに強く、贈りものや持ち帰りに向いています。最終的な保存・配送条件は楽天の商品ページでご確認ください。
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