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小田原漆器は、光沢の前に木から始まる。箱根山系の木材を挽物の器にし、天然漆を重ねることで、盆、椀、皿、茶托、飯器に木目が残る。箱根関所を控えた東海道の城下町、宿場町としての小田原には、塗師が招かれ、彩漆塗の技法も器づくりに加わっていった。
小田原漆器は、神奈川県小田原市と箱根山系の木材に結びついている。室町時代中期ごろ、箱根山系の豊富な木材を木地挽きの器物にし、そこへ漆を塗ったことが始まりとされ、木地、形、木目、漆面が小田原漆器の中心になった。
小田原市街の背後にある森林と箱根の山は、盆、椀、皿、茶托、飯器などの器に具体的な場所の手触りを与える。ここでいう文化とは、小田原という土地、箱根の木、ろくろで挽いた器、食卓で使う道具がつながっていることを指す。
城下町、宿場町としての小田原も、漆器の歩みに関わっている。北条氏康は小田原漆器を発展させるために塗師を城下に招き、彩漆塗の技法が用いられるようになった。江戸時代には盆や椀などの日用品に加え、武具類にも漆が塗られた。
この継続は仕事の変化で見える。木地挽きの器、彩漆塗の導入、日用品としての盆や椀、武具への塗漆が、小田原の漆器づくりを形づくった。昭和59年5月の伝統工芸品指定は輪郭を示す文脈にとどめ、器そのものでは木地と漆と職人の手が前に出る。
小田原漆器でケヤキがよく語られるのは、木目が美しく、堅牢でゆがみが少ない材だからである。木地にはケヤキ、セン、クワ、トチ、または同等の材質をもつ用材が使われ、漆は天然漆とされる。
摺漆塗と木地呂塗では、木目が視線の中に残る。透明で艶のある漆は、ろくろで挽いた曲線、ケヤキの模様、器の縁を引き出す。彩漆塗では朱漆や黒い漆が加わり、木目の艶とは異なる表情が生まれる。
小田原漆器の工程は、木地造りから始まる。用材を選び、木取りをし、荒挽きした後、燻煙乾燥と自然乾燥を経て、ろくろ台とろくろがんなで仕上げの形に近づける。表面は研磨され、トクサで磨く工程も語られている。
この木地の仕事が、後の漆の光り方を決める。椀の口縁、盆の平面、茶托のくぼみは、透明な漆を塗る前に、挽物の技術で整えられる。漆がのったとき、光は刃物が作った線に沿って木目を浮かび上がらせる。
摺漆塗では、精製生漆を木地に直接、何度も擦り込み、胴擦り、仕上げ摺り、磨き摺りへ進む。擦り込む、拭う、磨くという手の動きが、薄く深い艶として木目の上に残る。
木地呂塗では、生漆で木地を固め、砥の粉などを混ぜた漆で目すり錆を行い、水研ぎ、中塗、上塗、ろいろ研ぎや胴擦りを重ねて、透明な層の奥に木目を出す。彩漆塗は黒中塗の後に朱漆または黒漆を塗り、器の表面を色の艶へ導く。
小田原漆器は、手に取る器で理解しやすい。盆、椀、皿、茶托、飯器、菓子器、茶櫃といった形があり、ご飯、茶、菓子、配膳の動作の中に、木地挽きと塗漆の技術が入っている。
ケヤキの木目が摺漆塗や木地呂塗を通して見えると、ひとつの椀や盆に材料と用途が同時に表れる。その価値は、小田原の木工、天然漆、茶托や飯器が、暮らしの卓上で繰り返し扱われることにある。
現在の小田原にも、木地と塗りの分業を支える人びとがいる。伝統小田原漆器協同組合の名簿には、小田原市内で漆器、盆類、茶托、椀、漆器塗装、漆器木地に関わる事業所が並び、栄町、南板橋、中町、久野、板橋、中曽根などの地名が見える。
2018年に清閑亭で開かれた「木のうつわ展」には、木地職人と漆職人あわせて五人の作品が集まり、70年以上塗師として働いた池谷元弘の道具も紹介された。神奈川県の工芸技術所は小田原で木製品事業者を支援し、小田原漆器を箱根寄木細工、鎌倉彫とともに地域の工芸資源として扱っている。
小田原漆器の魅力は、木の近くで見えてくる。箱根山系の木材、ケヤキの木目、ろくろがんなの線、天然漆の擦り込み、盆、椀、茶托、飯器という日用の形が、神奈川県小田原市の器づくりを手元に残している。木地から漆面まで、小田原の艶は木目に沿って進む。
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この一品が、日本のどの制度・機関に登録・指定・認定されているかを示します。
英語では Odawara lacquerware と表記されます。
吸水性のある陶器は、はじめに「目止め」をしておくと安心です。米のとぎ汁(または少量の小麦粉を溶いた水)で弱火で煮てから冷まし、洗って陰干しすると、匂い移りや染みが出にくくなります。磁器は通常、洗うだけで使えます。商品ページに別の記載がある場合はそちらに従ってください。
手づくりの陶器、金彩・銀彩のうつわ、漆器は、食洗機・電子レンジ・食器乾燥機に適さないものが一般的です。耐熱磁器は使える場合が多くあります。個々の可否は楽天の商品ページの表示をご確認ください。
小田原漆器は神奈川県のうつわです。公的な登録、地域の資料、楽天の販売中商品と照合し、産地との関わりや特徴を整理しています。
多くは常温で日もちし、箱入りで持ち運びに強く、贈りものや持ち帰りに向いています。最終的な保存・配送条件は楽天の商品ページでご確認ください。
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