享保年間の名古屋から愛知の染色工房へ、名古屋友禅は白生地、青花液、糊防染、蒸し、水洗を重ね、単彩濃淡調の渋さを布に残してきた。
情報は119 日前に更新
名古屋扇子の末廣堂
さわらび〜ほりだし堂〜
名古屋友禅は、名古屋という土地と白生地の上の手順から見えてくる染色品である。享保年間、京都や江戸などから絵師や友禅師が名古屋へ往来し、手描友禅の技法が伝わった。尾張や美濃が古くから絹織物と結びついていたことも、青花液の下絵、糊置、色挿し、蒸し、水洗、仕上げを受け止める土台になった。
享保年間の名古屋では、尾張藩主徳川宗春の時代を背景に、京都や江戸などから絵師や友禅師が往来し、手描友禅が伝えられた。尾張や美濃が古くから絹織物の産地であったことも、白生地を染める技法を根づかせる環境になった。
その後、当地に質素倹約の気風が広がり、模様の配色は色数を控える方向へ移った。名古屋友禅の土地らしさは、白生地に置かれる少ない色、花鳥風月を基にした模様、単彩濃淡調の染め分けとして布の上に現れる。
名古屋友禅の表情は、一つの色の濃淡や淡彩の変化で柄を見せるところにある。花、鳥、風、月を基にした意匠も、白生地の余白、防染された輪郭、淡い部分と深い部分の差によって読まれる。
渋さという言葉は感覚的に聞こえるが、ここでは具体的な布の状態を指している。色数を抑えた配色、単彩濃淡調、糊で守られた模様の境目、蒸しと水洗を経た染料の発色が、名古屋らしい落ち着いた面をつくる。
手描友禅は、白生地を仮絵羽縫いするところから始まる。考えた図案に沿って青花液で下絵を描くが、青花は露草の花の汁で、水洗いによって落ちる性質があるため、仕上がりに残らない案内線として働く。下絵の線には糸目糊を置き、色挿しのとき隣の色が混ざらないようにする。
色挿しの後は、染料を定着させるために生地を蒸す。模様部分には伏糊を置き、地色を刷毛で引染し、再び蒸して水洗し、最後に箔置きなどの彩色仕上げを加える。手描友禅の手仕事は、筆で描く動き、筒紙から糊を置く線、刷毛が布を渡る速度、蒸箱の中で色を発色させる時間に支えられている。
型友禅では、白生地を友禅板に張り付け、伊勢型紙などを使って柄付けをする。柄付けの後、模様部分に伏糊を置き、地染を行い、蒸し、水洗を経て仕上げる。板に張った布と型紙の位置合わせが、反復できる柄の骨格をつくる。
手描友禅と型友禅の違いは、布の前に置かれる道具と順序にある。手描は下絵、糸目糊、筆や刷毛の色挿しで模様を進め、型友禅は友禅板、伊勢型紙、伏糊、地染を組み合わせる。どちらも防染、蒸し、水洗を通して、白生地に色を定着させる。
名古屋友禅の主な製品には、訪問着、留袖、着尺地が挙げられている。染められた布は和服地として使われ、単彩濃淡調の中で花鳥風月の意匠、余白、色の深浅が一つの面になる。
ワンピース、ネクタイ、バッグなどへ広がる例もあり、染色技法が日常の物にも移されている。ただし中心にあるのは、白生地に青花で描き、糊で守り、蒸して洗い、仕上げる手順から生まれる布の表情である。
現在の産地は、名古屋、春日井、一宮、岩倉、北名古屋、常滑など愛知県内の工房にもつながる。組合の所在地として名古屋市北区も関わり、名古屋友禅という名は市内の一点だけでなく、愛知の染色現場の広がりを含んでいる。
1983年の伝統的工芸品指定は、この継続を理解する背景の一つである。名古屋友禅を支える具体的な線は、白生地、青花液、糊防染、地染、蒸し、水洗、仕上げを繰り返す工房の作業にあり、その反復が単彩濃淡調の渋さを今の布面に残している。
名古屋友禅は、名古屋の地域性を白生地の濃淡に残す染めである。享保年間の職人の往来、尾張や美濃の絹織物の土台、愛知県内の工房の広がりは、青花液で描き、糊で守り、蒸して発色させ、水で洗い、訪問着や留袖、着尺地へ仕上げる手順につながっている。渋さとは、その手順のあとに布の境目、色の深浅、余白として見えてくる名古屋友禅の質感である。
公開資料・公式情報をもとにまとめています。出典は下記の各ページをご覧ください(内容は変わる場合があります)。
この品が、日本のどの制度・機関に登録・指定・認定されているかを掲載しています。
英語では Nagoya yuzen dyeing といいます。
名古屋友禅は、名古屋を中心に愛知県内の工房へつながる友禅染の染色品です。享保年間に京都や江戸などから絵師や友禅師が往来して手描友禅が伝わり、尾張や美濃の絹織物の土台の上に定着しました。白生地、青花液の下絵、糊防染、色挿し、蒸し、水洗、仕上げによって、単彩濃淡調の渋さを持つ布面をつくります。主な製品は訪問着、留袖、着尺地です。
享保年間(1730年から1739年)、京都や江戸などから絵師や友禅師が名古屋へ往来し、手描友禅の技法が伝えられました。名古屋友禅は、色数を抑えた単彩または淡彩の濃淡と、渋と呼ばれる深みを特徴としています。型友禅では、白生地を友禅板に張り、伊勢型紙などで柄付けした後、伏糊、地染、蒸し、水洗い、仕上げを行います。青花は露草の花の汁からつくられ、水洗いによって落ちる性質があります。
手描友禅の技法を学べる機会が、工房などで提供されています。
天然素材の染織品は、はじめのうち多少色落ちします。中性洗剤で他のものと分けて手洗いし、長時間のつけ置きと漂白は避け、色あせを防ぐため陰干ししてください。絹・麻や伝統染色のものはドライクリーニングが必要な場合が多く、商品ページの洗濯表示に従ってください。
多くは常温で日もちし、箱入りで持ち運びに強く、贈りものや持ち帰りに向いています。最終的な保存・配送条件は楽天の商品ページでご確認ください。
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