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吉野本葛 天極堂 楽天市場店
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奈良県の吉野地方で製造される葛粉のうち、葛根から採った葛でんぷんを100%使うものが吉野本葛と呼ばれる。白い粉の手前には、秋冬に掘った根を砕き、冷たい水でさらし、沈澱と水替えを重ね、乾かす仕事がある。葛餅、葛湯、胡麻豆腐、菓子、料理のとろみに使うと、なめらかな口あたり、透明感、艶が表に出る。
葛はマメ科のつる性多年草で、吉野本葛の材料になるのは根に含まれるでんぷんである。奈良県吉野地方で作られ、葛根由来のでんぷんを100%使うことが、吉野本葛のはっきりした境目になる。
一般に葛粉と呼ばれるものには、甘藷、ジャガイモ、トウモロコシなどの澱粉が混ざる場合がある。吉野本葛では材料を葛根に絞るため、葛餅や葛湯にしたときのきめ細かさ、なめらかさ、透明感として表れる。
吉野地方に隣接する宇陀は標高が高く、周囲の山からの水と冷涼な気候が葛粉の精製に向く。冷たい水は、でんぷんをさらす途中で雑菌などの不純物が出るのを防ぐ役目を持つ。
現在の製造や加工は、宇陀、御所、吉野、大淀の周辺に広がる。奈良県産の葛根は少なくなり、九州や海外から来た根も、奈良で水にさらされ、沈澱を重ねて仕上げられる。
秋から冬に掘った葛根は、叩いて細かくし、水でもみ洗いされる。布でこす、澱粉を沈める、水を替える、また攪拌して待つという動きが重なり、最後に乾燥へ進む。
この吉野晒しは寒晒しとも呼ばれ、冷たい水と待つ時間が要になる。低温の水は雑菌などの不純物を抑え、沈澱を重ねることで、白くきめの細かい粉へ近づく。一か月ほどから、場合によって二、三か月までかかることもある。
完成する粉は葛根の重さの約6から10%にとどまる。1kgの葛根から白い葛粉になる量を約100gとする目安もあり、根の重さと粉の少なさが同時に見える。
その少なさは、山で根を探す人の目と、作業場で水を扱う人の判断を必要にする。掘子や山方と呼ばれる人びとが良い葛根を探してきたが、その技術を担う人は減っている。
水と熱が加わると、吉野本葛は澄んだとろみを持つ。葛餅や葛切では、なめらかな口あたり、透明感、艶が見えやすく、葛湯では湯の中で清らかな粘りになる。
同じ粉は、胡麻豆腐、羊羹、葛饅頭、汁物、たれ、料理のとろみにも使われる。冷めてもとろみを保つため、ほかの澱粉では代えにくい料理がある。
吉野本葛の仕事は、山の葛根と作業場の水をつなぐ。根を見つけて掘る人、砕いた根から澱粉を取り、何度も水を替える人、乾き具合を見る人がいて、白い粉になる。
製造者の団体は四社を中心に、吉野地方とその周辺で精製や加工を行う範囲を守ってきた。その範囲が指す中身は、葛根澱粉100%、奈良周辺の水の仕事、寒い時期に待つ時間である。
吉野本葛をたどると、葛餅の透明感や葛湯のとろみから、秋冬の葛根、宇陀の冷たい水、沈澱を待つ時間へ戻っていく。重い根から残る粉はわずかで、その少なさが、山で探す人と作業場で水を替える人の手を目立たせる。白さと艶は、奈良の地名に、根、水、寒さ、乾燥の積み重ねが重なって味わえる。
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