赤間硯は宇部市と下関市周辺で作られ、赤間石を掘り出し、平らに整え、陸と海を彫り、磨き上げて、細かく伸びる墨を受け止める。
情報は119 日前に更新
山口県の赤間硯は、地名と石の色が重なる硯である。産地は宇部市や下関市周辺にあり、名は下関市の古称である赤間関につながる。材料となる赤間石は、石英や鉄分を多く含む赤みのある頁岩で、緻密な石質によって固形墨を細かくおろし、発色のよい伸びやかな墨を生む。
赤間硯の名には、下関市の古称である赤間関が残っている。古い流れは十二世紀末ごろの奉納の話に結びつき、江戸時代初期には「赤間硯」という名が使われていた。十八世紀以降、採石の中心は宇部市へ移り、宇部市と下関市周辺が産地として続いている。現在の職人のまとまりは、宇部市北部の万倉・岩滝地区にある山口県赤間硯生産協同組合にも見える。地名、山、坑道、職人の名前が、赤間硯という一つの呼び名を支えている。
赤間石は赤みを帯びた頁岩で、宇部市の説明では石英と鉄分を多く含む石とされる。硬く緻密でありながら粘りがあり、細工しやすい性質を持ち、表面には生き物の眼のような石眼や、場所ごとに異なる色合いが出ることがある。硯に向く理由は、見た目の美しさだけに置かれない。切る、平らにする、彫る、磨くという仕事に耐え、固形墨と水が何度も触れる面になることが、赤間石の大切な役割である。
赤間石は山に掘った採石用の坑道から取り出される。原石は乾燥に弱いため、普段の坑道は水で満たされ、採石の前にポンプで水を汲み出してから入る。人がかがんで進むほどの狭い通路を、五メートルから四十メートルほど進むと赤間石の層に当たる。火薬やピックハンマーなどで掘り出した原石は、金づちで軽くたたき、その音によって硯石に使えるかを選び分ける。水、深さ、石層、音を読む手が、硯づくりの入口になる。
選ばれた石は、作る硯の形に合わせてダイヤモンドカッター、小型ののみ、ハンマーなどで大まかに整えられる。地切りでは、水と珪砂を研磨剤にして表と裏を平らに近づける。縁立てでは、墨をする陸と、墨がたまる海の位置に合わせ、のみで境目を彫って縁を立てる。その後も彫刻、磨き、墨をする面の調整、薄い漆やカシューによる仕上げが続く。採石から完成まで十数工程に及び、一人の職人が山の仕事から硯づくりまで手がけることも、赤間硯の大きな特徴である。
赤間硯の使い心地は、赤間石の細かく緻密な面にある。水を置いた陸で固形墨をすれば、墨の粒子が細かくなり、発色のよい伸びやかな墨汁が得られる。海はその墨を受け止め、筆が入る前の濃さを整える場所になる。石眼や赤紫の色、彫りの輪郭も目に残るが、手に伝わる中心は、石の面、墨、水、筆が繰り返し出会うところにある。
筆と墨に頼った時代、硯は欠かせない文房具であり、江戸時代には赤間、現在の下関市や、厚狭、現在の山陽小野田市周辺で多く作られた。生活の近代化が進むと、硯制作者は急速に少なくなった。下関の堀尾信夫は堀尾卓司の技術を受け継ぎ、後継者の養成にも取り組む人物として語られ、宇部市万倉・岩滝地区の組合は職人のまとまりを今に示している。1976年には国の伝統的工芸品に選ばれた。その「伝統」は、宇部と下関の赤間石、採石、陸と海を彫る工程、磨き、次の職人を育てる仕事に結びついている。
赤間硯の長さは、古さを語る言葉だけではなく、手順の中に残っている。宇部の坑道から水を抜き、赤い頁岩を音で選び、水と珪砂で平らにし、陸と海を彫り分け、固形墨を細かくおろす。名には下関の赤間関が残り、宇部の山と職人の手が、いまも一面の硯に重さを与えている。
公開資料・公式情報をもとにまとめています。出典は下記の各ページをご覧ください(内容は変わる場合があります)。
この品が、日本のどの制度・機関に登録・指定・認定されているかを掲載しています。
英語では Akama inkstones といいます。
赤間硯は、山口県の宇部市や下関市周辺で作られる硯で、名は下関市の古称である赤間関につながる。材料は石英や鉄分を多く含む赤みのある頁岩、赤間石で、緻密な面が固形墨を細かくおろし、発色のよい伸びやかな墨を生む。採石は水を抜いた坑道で始まり、音で石を選び、形作り、地切り、陸と海の彫り、磨き、薄い仕上げへ進む。筆墨の生活が変わった後も、宇部市万倉・岩滝地区の組合や下関の職人が技を継いでいる。
赤間石の採石坑道は普段水で満たされており、採石前に水を汲み出してから、職人は五メートルから四十メートルほど進んで石層を探します。彫り上げた後、赤間硯は薄い漆やカシューによる仕上げが施されます。江戸時代には赤間や厚狭一帯で多くの硯師が活動していましたが、生活様式が近代化した後は制作者が減少しました。山口県赤間硯生産協同組合の会員は宇部市北部の万倉・岩滝地区に多く、堀尾信夫は技術を継承し後継者を育てる職人として紹介されています。
赤間硯は固形墨をすりおろすために使われ、発色のよい、伸びやかな墨汁を生み出します。書道や文房具として長く使われてきた道具で、歴史上の人物が用いた記録も残っています。書く道具としてだけでなく、石の色合いや石眼模様、彫刻仕上げを持つ工芸品としても鑑賞されています。
木・竹・漆のものは、長時間のつけ置き、食洗機、直射日光を避けてください。使用後は水気を拭き取り、風通しのよい日陰で乾かしてください。金属や布のものは商品ページの記載に従ってください。
多くは常温で日もちし、箱入りで持ち運びに強く、贈りものや持ち帰りに向いています。最終的な保存・配送条件は楽天の商品ページでご確認ください。
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