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4.8 / 42件のレビュー
三重県桑名では、溶けた金属が鋳型に流され、鍋釜、機械部品、青銅鳥居、鋳物風鈴、マンホール蓋として暮らしと町並みに残ってきた。小向の砂と生型法が、その広がりを支えた。
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桑名の鋳物は、溶かした金属を鋳型に流し込み、固めるところから始まる。三重県の城下町である桑名では、江戸時代に桑名藩主となった本多忠勝が鉄砲の製造を始めたことが起源といわれ、灯ろう、梵鐘、農具、鍋も作られた。明治時代には、隣接する小向、現在の朝日町小向で生型法に合う鋳物砂が見つかり、日用品の鋳物が大きく広がっていく。
鋳物は、金属を溶かし、鋳型に流し込み、固めて作る製法と製品を指す。桑名の鋳物には、鍋釜、焚口、アイロン、灯ろう、梵鐘、農具のような身近なものから、工作機械、電気機械、建設機械の素形材、土木建設用のマンホール鉄蓋まで含まれる。台所の鍋、道路の蓋、設備の中の部品が、桑名の鋳物の幅を示している。
桑名の鋳物の始まりは、江戸時代に桑名藩主となった本多忠勝が鉄砲の製造を始めたことにあるといわれている。同じ流れの中で、桑名では灯ろう、梵鐘、農具、鍋も作られた。城下町の守り、寺社の音、畑仕事、煮炊きの道具が、初期の鋳造を手で触れられる物として伝えている。
1887年、桑名に隣接する地域、現在の三重郡朝日町小向で、生型法に適した鋳物砂が発見された。天然産の砂を使って造形する生型法は、低コストと大量生産に向いていたため、桑名の鋳物は地場産業として位置を固めていった。このころから銑鉄を使った鍋釜、焚口、アイロンなどの家庭用日用品が作られるようになり、近くの砂が鋳型と生産量を変えていった。
1903年からは、製麺機や水道器具などの機械鋳物の製造も始まった。桑名は川口と並び称される鋳物産地として知られるようになるが、その言葉の中身は、鍋釜の外へ広がった機械部品、水道の器具、そして現在の工作機械、電気機械、建設機械、自動車部品、橋の高欄、照明器具などの用途にある。鋳型から出てくるものは、台所用品から産業の部品へと広がった。
1940年ごろまで、桑名の鋳物は日用品を基盤として発達していたが、太平洋戦争によって日用品の製造が禁止され、機械鋳物への転換が進んだ。第二次大戦時には空襲で大きな被害を受け、戦後は原料の銑鉄が手に入りにくくなった。そこで航空機廃材のジュラルミンや散乱するスクラップを集めて鋳造し、鍋や釜などの生活用品へ戻していった。
桑名の鋳物は、町を歩く中でも目に入る。春日神社には青銅の鳥居があり、仏眼院には梵鐘がある。さらに、柵、街灯、意匠をもつマンホール蓋、橋の高欄、はまぐりの形をした鋳物風鈴も挙げられている。工場の中で生まれた金属の形が、参道、寺院、道路、橋、風鈴の音の中に置かれている。
桑名では1956年から鋳物技術競技会が続き、造型の技術、速さ、仕上がりが競技として見える場を持っている。近年は日用品鋳物の再興に向けて、IH対応の二合炊き炊飯鍋や、夏の柄をあしらった蓋を持つ蚊やり器の開発も進められている。三重県の伝統工芸品として挙がる品目は、ケトルベルと鉄鍋に限られる。展示会、鋳物コンテスト、クイズラリー、鋳物づくり体験も、技術と製品を人の前に出す場になっている。
桑名の鋳物は、小向の砂、銑鉄の鍋釜、製麺機、水道器具、戦後のジュラルミンとスクラップ、春日神社の青銅鳥居、街のマンホール蓋、鋳物風鈴といった物でたどると見えやすい。江戸時代の鉄砲製造に始まるといわれる流れ、1903年以降の機械鋳物、そして炊飯鍋や蚊やり器の開発まで、桑名では溶けた金属が暮らしと産業の形を取り続けている。
公開資料・公式情報をもとにまとめています。出典は下記の各ページをご覧ください(内容は変わる場合があります)。
この品が、日本のどの制度・機関に登録・指定・認定されているかを掲載しています。
英語では Kuwana cast metal といいます。
くわな鋳物は、三重県桑名を中心とする鋳造製品群であり、溶かした金属を鋳型に流し込んで固める製法に基づいています。始まりは江戸時代に本多忠勝が桑名で鉄砲製造を始めたことといわれており、1887年には隣接する小向で生型法に適した鋳物砂が見つかりました。現在は機械部品や業務用ガスコンロ、かき氷機、鉄鍋、ケトルベルなどに広がっています。
1887年に鋳物砂が見つかった小向は、現在の朝日町小向です。生型法は天然の砂を用いる造形法で、桑名で低コストかつ大量生産を可能にしました。1903年からは、製麺機や水道器具などの機械鋳物の製造も始まりました。戦後、銑鉄が不足した時期には、航空機の廃材であるジュラルミンや散乱したスクラップを鋳造して鍋や釜が作られました。
くわな鋳物には、鍋釜、こて、コンロ部品、かき氷機などの日用品に加え、近年開発された炊飯鍋や蚊取り線香立てもあります。工作機械や電気機械の台座、マンホールの蓋、建材、自動車部品、橋の欄干、照明器具などの工業・建築用鋳物も含まれます。最近の取り組みでは、IH対応の炊飯鍋や、夏の柄の蓋を六種備えた蚊取り線香立てが企画されています。
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