沖縄県宮古島の宮古上布は、苧麻栽培、糸績み、絣締め、琉球藍の染め、手織り、甘藷糊、砧打ちを重ねて仕上がる。
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宮古上布は沖縄県宮古島から始まる。宮古織物事業協同組合は宮古島市上野字野原にあり、苧麻の栽培から糸績み、絣締め、染め、織り、砧打ちまでを島内でつなげている。2009年時点の年間生産反数は約20反、組合員は92名だった。布になるまでの道のりは長い。苧麻の茎から繊維を取り、経糸と緯糸を指先で結び目なく績み、方眼紙の図案、琉球藍の発酵染め、織機での作業、水洗い、糊付け、幅の調整、木槌の打ち込みへ進む。
宮古上布という名前は、宮古島の工程と結びついている。2009年の組合紹介では、苧麻の栽培、糸績み、絣締め、染め、砧打ちまでの全工程を宮古島で一貫して行い、品質を保つ生産体制が示されている。洗濯加工を終えた布は、沖縄県から委託された専門検査員の検査を受け、通ったものが宮古上布として扱われる。ここでいう品質は、島の植物、手績みの糸、染織の段取り、仕上げ、検査が重なってできる境界である。
宮古上布の原料糸は、苧麻から採る。苧麻は「からむし」「まを」とも呼ばれ、温暖な宮古島では生育がよく、35日から40日間隔で刈り取ることができ、年に4から5回の収穫が可能とされる。5月から6月の苧麻は「うりずんブー」と呼ばれ、最も良質とされている。収穫では茎の根元から刈り、表皮を剥ぎ、表皮の裏側にアワビの貝殻などを当ててしごき、繊維だけを取り出す。細い布の始まりには、茎、表皮、貝殻、繊維という手元の順序がある。
苧麻の繊維を取り出した後、経糸も緯糸も手で績む。生ブーと呼ばれる繊維を指や爪で細く裂き、結び目をつくらず、指先で撚りつないでいく。経糸は二本撚り、緯糸は一本撚りで、それぞれ専門化されている。10ヨミほどで長さは6000メートルになり、糸車で撚りかけをして仕上げる。着尺一反に必要な糸は50ヨミで、経と緯をそれぞれ一人の績み手が担うと半年を要する。宮古上布の細かさは、長さ、指先、月日の積み重ねに根を持つ。
図柄は方眼紙の小さなマスに十字絣を描いて考える。この絵図は、絣締め職人の分野である。絣を鮮明にするため糸を漂白し、図柄に応じて16本から18本ずつ束ね、糊付けして締機で絣締めを行う。染色には琉球藍の泥藍を使い、水を張った容器に藍、アルカリ分、泡盛、黒糖や水飴を加えて発酵を助ける。夏は約1週間、冬は約2週間で液が緑色になり、染められる状態になる。発酵のよい藍には「藍の花」と呼ばれる泡が立ち、色が生まれる過程を水面に見せる。
織機に経糸をかけると、毛羽立ちを防ぐために上布糊を手のひらでまんべんなく塗る。糊が乾いた後、糸のすべりをよくするために豚の脂を薄く塗り、織り始める。この作業は、織り進む間にも機の上でくり返される。手織りの布面は、手のひらの糊、乾く時間、薄い脂、経糸と緯糸の交差によって少しずつ整えられる。
織り上がった布は湯洗いして陰干しし、甘藷の澱粉糊をまんべんなく付ける。洗いと糊付けによって布がいくらか縮むため、その後に縦へ引っ張って伸ばし、横幅を整える。折りたたんだ布はアカギの台板に置かれ、イスノキで作った約4キロの木槌で布面を均一に打たれる。宮古上布の仕上げは、水、澱粉、引き伸ばし、木の板、木槌の重さによって形づくられる。
宮古織物事業協同組合は、宮古島市上野字野原にある。主な事業には共同生産、共同検査、後継者育成、苧麻手紡糸奨励が含まれ、2021年7月時点の組合員数は66名とされる。組織の歩みは1902年の宮古郡織物組合までさかのぼり、現在の宮古織物事業協同組合は1958年に設立された。糸、染め、織り、検査、育成が、上野字野原を拠点とする組合の仕事として結ばれている。
宮古上布は、宮古島の苧麻、琉球藍、方眼紙の絣、手織り、砧打ちを一本の長い工程に結びつける。茎から繊維をしごき出し、指先で糸を績み、発酵した藍で染め、織機の上で糊を重ね、アカギの台板で木槌を打つ。上野字野原の組合が共同生産、検査、後継者育成を続けることで、宮古上布の土地との結びつきは、手、道具、植物、島内の工程の中に残っている。
公開資料・公式情報をもとにまとめています。出典は下記の各ページをご覧ください(内容は変わる場合があります)。
この品が、日本のどの制度・機関に登録・指定・認定されているかを掲載しています。
英語では Miyako jofu といいます。
宮古上布は沖縄県宮古島の苧麻を使う織物で、宮古織物事業協同組合は宮古島市上野字野原にあります。島内で苧麻栽培、糸績み、絣締め、染め、織り、砧打ちまでをつなげています。苧麻は「からむし」「まを」とも呼ばれ、温暖な宮古島では35日から40日間隔で刈り取ることができます。
2009年時点で、組合は宮古上布の年間生産反数を約20反、組合員を92名としています。2021年7月時点で、宮古織物事業協同組合の組合員数は66名とされます。着尺一反分に必要な糸は50ヨミで、経糸と緯糸をそれぞれ一人が績むと半年を要します。染色は琉球藍の泥藍を使い、夏は約1週間、冬は約2週間で発酵して染色可能になります。
宮古上布は夏の着物や精細な織物として用いられます。洗いと仕上げの後、県から委託された専門検査員が検査し、合格した布のみが宮古上布として認められ、製品として流通します。
天然素材の染織品は、はじめのうち多少色落ちします。中性洗剤で他のものと分けて手洗いし、長時間のつけ置きと漂白は避け、色あせを防ぐため陰干ししてください。絹・麻や伝統染色のものはドライクリーニングが必要な場合が多く、商品ページの洗濯表示に従ってください。
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